ある日、私のスーパー登校号(Bianchi Kuma27.4)をメンテナンスしていた時のこと。
ボルト類の緩みも確認しておこうとチェーンリングボルトを回すと、”グニャリ”という嫌な感覚がアーレンキー越しに伝わってきました。「あ。」と思ったが時すでに遅し。チェーンリングボルトが無限に回るようになってしまいました…(泣)
解説で使用する図
今回の記事で使用する図は、クランクを下図のように赤線で切った断面図の青丸部分を拡大したものになります。
破損内容
今回起こったチェーンリングの破損、内容はインナー側チェーンリングの、チェーンリングボルト(以下、「ボルト」と呼称)を受けるネジ山の潰れです。
ですが、ネジ山がすべて死んだわけではありません。ボルトを受けていた3山ほど(下図赤部分)が潰れただけなので、何らかの方法でボルトを潰れたねじ山の奥にあるネジ山(下図青部分)に到達させてやれば解決するわけです。
今回はこれを、新規パーツの購入なしでできるだけ安く済ませたいと思います。(お金ないので…)
使用工具
今回使用するのは、何故か家にあったリューターとダイソーのリュータービットです。
つまり今回の出費はリュータービッド代100円+税だけですね。もしリューターが無くてもダイソーのリューター800円+税で代用できるでしょう!!
安い!!!
修理方法の検討
まず、新規パーツの購入ができない為、「長いボルトの購入」と「新しいチェーンリングの購入」は出来ません。
そうなると必然的に、現行パーツを加工する道のみになるわけです。
案1(ボツ)
加工するにあたって、一つ目の案は下の図のようにアウターチェーンリングの穴を、ボルトの頭と同じ大きさで、半分の深さまで広げる(下図赤部分)というものです。
こうすることで、ボルトの頭がアウターチェーンリングに埋まり、結果としてボルトの先端が潰れたネジ山の奥に届くというわけです。
しかし!!この方法には問題がありました。今回の加工に使用するダイソーのリュータービット、これでは上図の紫部分をきれいに加工できません。
案2(採用)
案1の方法では2つの加工面の角が綺麗に削れないので、案2では加工面が平らになるような方法を考えました。
まず、チェーンリングの穴のフチを斜めに削ります。そして、ボルトの頭も斜めに削る(下図赤部分)ことで下図のように平らな面を作る加工だけでボルトの先端を生きているネジ山に到達させることができると読んだわけです。
加工開始
まず、チェーンリング側から行きます。リューターを使って穴のフチを少しずつ削っていきます。
加工前 |
加工後 |
次にボルト側ですね。こちらはビットがネジ山に接触しないようにしないとボルト側の山も殺してしまいます。
加工前 |
加工後 |
最後に、加工したチェーンリングの穴にボルトを入れてアーレンキーを使ってゴリゴリします。アルミは柔らかいので、これで削れてちょうどいい具合の角度になりました笑
完成
実際に組んでみると…
見事成功!!
きちんとチェーンリングを固定できました!!
加工前 |
加工後(ボルトの頭がチェーンリングに埋まっています) |
最後に(絶対読んでください)
もしこの方法をマネする場合(ほとんどないとは思いますが)、すべて自己責任で行ってください。
事故や破損に関して、当ブログは責任を負いかねます。
最後までご覧頂きありがとうございました!!!